「北斗の拳」アニメの世界展
東映アニメーションギャラリーの”「北斗の拳」アニメの世界展”を見てきた。
社屋の一角で会場はさして広くはなく、常設展のスペースもあるので実際は半分での使用といったところだ。展示物はセル画と設定資料がメインだが、目玉に原哲夫の連載第一回の生原稿がまるまる展示されていたのに驚いた。消しゴムのかけた跡や修正ホワイトの着いた生原稿は、作家が生み出した当時の慌ただしさと熱気がよみがえってきそうだ。25年を経て紙に残る若干の変色も、そのたたずまいをリアルに語る。
アニメの設定資料や絵コンテも鉛筆で書かれた原本が展示され、映像や印刷になったものに比べて、線に勢いや表情があり、キャラクターの存在感が感じられた。映像はもともと、どこか別世界を「投影」している感覚があるが、こういう展示はモノ感があって面白い。
そして、今回お目当てだったのは何を隠そうウイグル獄長のセル画だ。限られたスペースにそんな脇役のセル画があるのか心配だったが、ありました!カサンドラ編がパネルにして3つほど。152話もある長編アニメにあって、脇役の悪党にしては破格の扱い。

カナメプロの回とは言え、結構見栄えのするカットを選んであり、大判セル画の迫力を満喫できる。もちろん あのふざけた作画はない。多少作画に難があるが展示で唯一、悪役で奥義の名前「蒙古覇極道」が出ているカットも。
そして、生のセル画を見て発見した事実が!
先日補完絵が完成したばかりの同カット。元絵の脚の付き方がどうもおかしいと思っていたが、右太腿の彩色が抜けて、逆に背景の部分に間違えて彩色してあることが判明。これは、実際の映像ではトリミングされて見えない部分に脚の下の部分が見えるため判別することができた。これは生のセル画だからこそ分かる発見だ。
(右が現状、左が本来の彩色)
しかし惜しむらくは、20年以上経っているため、トレス線が退色・剥落が激しく、保存状態が良くないところだ。これは全体に言えることだが、金字塔的作品を将来に残すという意識が薄いように思える。
ウイグル獄長を求めて、ある一定の成果はあったのだが、もう少し欲を言えば1986年の劇場版北斗の拳の展示にもっとスペースを割いてほしかった。作品完成度はもとより作画はTV版を遙かにしのぐ。今回はTV版アニメのDVD化記念の展示ではあるが、今年25周年をむかえ真・北斗の拳5部作が完結する節目なのだから旧劇場版の展示の価値は大いにあると思う。それとも別企画で新5部作と旧劇場版とあわせて展示があれば、なおうれしいのだが。(ただし、今はもうセル画を使用しないのかも)
紹介記事
http://www.hokuto-no-ken.jp/2008/03/dvdbox.html
東映アニメーションギャラリー公式サイト
http://www.toei-anim.co.jp/tag/
ウイグル獄長 リアルタイプ
ちょっといたずらに簡単に描くつもりが、いつの間にか描き込んでしまった。いつになくリアルタイプの獄長。ちょっと変な感じがします。
もし実際にウイグルがいたらやっぱり凶悪すぎて(ちょっと見てみたい気はするが)、好きになれないどころか敵対視してしまうだろう。 言うまでもなくリアルな人間とは、悪役もいい役もない親から生まれ出た血の通った一個の人格が、成長し経験する中で様々な要素に影響されて形成されていく。それに対しアニメのキャラクタは、役として成立していている紋切り型の分かりやすい存在だ。歴史的に物語というのはわかりやすくできていなければ、語り継ぐことはできない。昔サンライズが始めた誰が悪かよく分からない未分別の役というのは一見リアルに感じるが、物語としては脆弱だ。そう言う展開ばかりが増えてしまうと、すぐに追求したはずのリアルさが陳腐に見えてしまう。そもそも現実こそ余計な要素を剥ぎ落として記号化された情報でなければ伝達できないし、理解する事も困難なのだから。
複雑で一言で言い表せないのが「ありのまま」であるなら、現代人にとってそれは不安で仕方がないだろう。あらゆるカテゴリー分けランク分けでしか自分のポジションを見つけることに慣れてしまった以上、ありのままで理解できることは相当勇気の要ることだ。不安で現実を物語り世界のロジックに持ち込むのだ。キャラクタの世界では役を取ってしまったキャラクタというのは、便宜上ありえない。個人として個性や記憶を与えたとしてもそれは設定でしかない。余計なことは考えなくていいのだ。だから安心して敵を倒すのを楽しんでいられる。勧善懲悪がきれいに美徳となりうるのだ。
しかし、もともと物語世界の住人が現実へ逆もどりになると、再び記号化されないありのままの臭いをまとってしまう。だから残念ながら私がここまで入れ込んだウイグル獄長でも変な違和感を感じてしまうのは、ここからきているのではないか?
ま、幸いそこまでリアルには描けませんが・・・・・大げさでした。
トキ伝 試写会へ
仕事の都合を付けて、見に行ってきたトキ伝試写会&25周年イベント発表会場。渋谷へ行くこと自体8年ぶり?だったゆえ浦島太郎状態のなか、道をなんとか思いだしてどうにか会場到着。
いきなりクリスタルキングの主題歌でオープン、圧倒されて聴衆ややポカ~ン。そのあと原作者のお三方が登場して司会を交え25周年イベント内容を紹介。こちらの予想を見事に外してくれた内容だった。天の覇王のアニメ化がうれしい。しかし一番気になった帰零祭の内容は、未だ明らかにされず。去年のラオウ昇魂式に3000人集まったのが、発想の元となったらしい。
秋公開予定のケンシロウ伝が北斗の拳ZEROとなり、完全オリジナルストーリーとなるようだ。ZEROとは原点の意味で、ユリアの略奪からリンと運命的に出会うまでの空白の時代を埋める内容のものとなるようだ。時代が救世主としての使命に気づかせる原点の部分。その意味で25周年の意義と帰零(時計の針が零に帰る意)祭に通じるような話が印象的だった。 実は開演までの待ち時間に退屈だったので、引き出物のガシャポンをあけてみると緩衝材代わりに入れてあったチラシに7つのプロジェクトが書かれていたので、事前に知ってしまったのだけれど。(チラシはわざわざ破いて丸めて入れてある凝りよう)
そしてお待ちかね、トキ伝公開となった訳だが、ここからちょっとネタバレなので注意!
今回はあくまで、北斗の3兄弟の関係が柱になっている。助手をしていた女医サラが花を添えているが、それ以外のもり立て役は出番がないといってもいいぐらい。アミバすら出てこない。 その分ラオウとトキとの闘いは時間をさいてある。正直言うと原作はすでにあり劇場用でもなくOVAなので物語に期待はしてなかったのだが、これが意外と良くできている。既出の3部作でも1番見応えがあったように思える。やっぱりこの部分に北斗の拳のおいしいところがつまっていると実感した。
そして気になっていたカサンドラの部分だが予想通り、突然番兵2人しかいないトキの独房にケンシロウが現れるシーンで解放となる・・・・・・獄長よどこへいった。 まあしかし、これで私が昔のアニメを補完してまでウイグル獄長の絵を描く意義も保たれた訳ではあるが。
トキ伝 予告編2
公式ホームページでの予告編にはガッカリさせられたが、制作元のアミューズのHPではちゃんとした3分以上ある予告編が見れるようになった。タイトなスケジュールとはいえ、やはり最低限これぐらい用意してくれないと、売り上げにも影響するだろうに・・・・。
http://www.amuse-s-e.co.jp/hokuto/toki/
当時の作画をされていた羽山氏らしさが分かる。やはり北斗の拳はこちらの方がなじむなぁ。ドラマ多いし、残念ながらカサンドラでは、突入したケンシロウがいきなりトキを解放しそうだ。獄長出番なしだなぁー。 そう言えば、アミバすら影も形も見せず?
それはそうと、この独特の主題歌は一度聞いたら忘れないな。何故か頭に残ってしょうがない。
ミュージカル!北斗の拳
って、言うつもりなのかしらん?マッスルシアターでやるあたり、アヤシイ。
http://www.hokuto-no-ken.jp/314/
北斗の拳25周年の7つのプロジェクト発表、大いに気になる。
冗談にしろミュージカルで、目にもとまらぬケンシロウの突きや、北斗神拳の爆裂・・・・・いろいろ想像してみたけど、いくら肉体派劇団とはいえ生身でやるとしたら、もうマジックの領域だな。
幻の劇場版シーン
古本屋で86年のアニメ雑誌を見ていたら、旧劇場版北斗の拳の制作速報記事があった。そこには実際の映画には出てこないシーンが・・・・・。なんとウイグルに睨まれ絶体絶命のバットをリンが身を挺して守ろうとしている。しかもリンはその身の宿命を発動させオーラを発しているではないか!これは、劇場版の企画の初期段階の設定ではないだろうか?
背景から判断するとウエスタンな街は、ジャギの胸像が登場する街だ。しかし、拳王軍に所属するウイグルがアウトローなジャギにかしづくはずもない。一方、リンの能力が発動しているのに注目しよう。この状況をリン一人の力で解決することは設定的にありえない。だとすれば、リンを救えるのは、そう、ケンシロウに他ならない。
場面的には、リンとケンシロウが運命的な出会いをするジードの手下に絡まれるシーン、もしくはジードとの対決のシーンに値するのではないだろうか。初期段階において、冒頭シーンで蛮行繰り返す拳王軍にリンが抵抗を始め、覚醒したケンシロウが初めて北斗神拳の力を見せつける・・・・・デモンストレーションとしては大きな相手を派手に吹き飛ばした方が演出的にはいい。例えばそれがウイグルのシーンではなかったのか?
実際の映画で、ウイグルは拳王軍の指揮官でありながらレイに瞬殺される。そんな中地半端な悪役より、しっかり悪びれて最初に北斗神拳のデモンストレーションのために派手に散った方が悪役冥利だったのではないかと、想像力をかきたてられる。
ところで、この絵を発見したときの驚きは何だろう。25周年を迎える北斗の拳に必要なものは、煮詰まった浪花節のドラマもいいが、それは新5部作で一段落。これからは、パラレルワールドで意外な設定の外伝の新鮮さであってもいいのではないだろうか。
外伝化アンケートのパスワード
実は、個体認識番号ではなく、単に単行本ごとに分けているだけでした。自分の周りで調べただけだが、トキ外伝1巻、レイ外伝1巻、ラオウ外伝5巻、それぞれタイトルの認識番号がついていた。つまり既刊では現在3種類と言うこと。ちなみに自分で投票した番号にもう新規にログインできるわけです。(電話番号やIPでユーザー認識してるかもしれないけど、固定IPでないと変わる訳だし、そこまで手間をかけているかどうかも疑問) でも少なくとも1冊は買ってみようね!


